AT THE BENCH

「ベンチで話している人たち」をスクリーン越しに見つめるという映画。
ものすごくシンプルなつくりではあるのだけど、人生の最も美味しい瞬間を味わい続けられる贅沢な映画だった。ベンチを見かけるたびにこの映画を思い出すんじゃないかって気がする。

第2編が一番好きだった。何か劇的なものがあるわけじゃなくてカップルの別れ話なだけではあるのだけど、どこかの町のどこかのベンチで、確かにありえたかもしれない会話であって、それであってその人なりの視点の癖が会話の中でユーモラスに描かれる。普通の人の普通の言葉に宿る面白さが好きなんだなと再確認した。
エンドロールを見るまで知らなかったんだけど脚本蓮見翔だったんだ。ぽいなと思っていたら本当にそうでビックリしてしまった。

第4編が監督の脚本なのかよと言いたくなってしまう内容だった。宇宙人が登場したり、メイキング風の映像が流れたり、いままでの雰囲気を一気に変えてきた。足場を破壊してきたというか、いろんな理念をもとに、ヒューマンドラマで終わらせないという気持ちよさがあった。にしてもだろ、第1/5編だと思うじゃん。あれだけ王道に、ベンチと会話と人生とを描いてんだから。あんたが変化球を投げるな。
ただまあ、表層が変だっただけで、どの話よりもまっすぐにその監督が好きだった景色の話をしていたのかもなと今になって思う。