テレビの中に入りたい

謎めいた夜のテレビ番組『ピンク・オペーク』に魅せられた孤独な若者オーウェンとマディの姿を、ポップでメランコリックな映像で描き出したA24製作作品

自分のアイデンティティにもがく若者たちのやつね、と思っていたら裏切られた。やってくれたな。出会いの会話も 家の会話も フットボール場の会話も 若者の世界の全てで美しかったのに、フリだった。再開からの加速具合が気持ちよい。語りっぽさ、時間の進みの不和を回収してきた。何が本当がわからなくなったあとのテレビ吸い込まれるシーン、シャワーのシーン、マディの顔中心の語りのシーン、オーウェンの最後の発狂のシーン。すべて良い。そしてピンク・オペーク シーズン5の最終話は怖すぎる。父のわからなさは残されたままでそれも怖くてよい。

居場所のなさが、人生の所有感のなさにつながっていく。わたしたちもまた、いつ狂ってもおかしくないのかもしれない。
人の感想を見ていたらクィア批評と完全に結び付けられていて、そうなんだ と思った。