ドライブ・マイ・カー

浮気という秘密を抱えた妻を突然亡くした舞台演出家を主人公に、彼が演出する多言語演劇の様子や、出演する俳優たち、彼の車を運転するドライバーの女との関わりを描いた濱口竜介の監督作。

過去をめぐる。自分と向き合うということを思った。画作りのよさ、特に車内の空気が好きだ。ロングショットが好き。被写体とカメラの距離が絶妙で好き。それにこたえる役者の言葉選びと声の選びか、あるいはその身体の妙にか、画面に緊張感が満ちる。人の心は当然一つではないし、ただしく傷つきたかったという言葉がよかった。演劇的な喋りをしているのに、すべての言葉に本当っぽさがある。いい映画だと思った。